アグリビジネス創出フェア2010
11月24日から26日までの3日間、千葉の幕張メッセで「アグリビジネス創出フェア2010」が開催され、出展した環境農業資材協議会のブース内で「ニーム基礎講座〜ニームが期待される理由〜」と題したニームに関する資料集を配布しました。
資料集は、「ニームとは」「ニームの特徴」「ニームQ&A」といった基礎的な説明のほか、上馬場和夫先生のニームの健康分野への機能性についての資料や、山下伸夫先生のニーム資材の害虫への効果を研究した論文、さらに、当コンソーシアムの企業の商品チラシをセットにしました。
今夏の異常気象で病害虫対策に関心が高く、資料集を持ち帰る人が多数見られました。
東京アーユルヴェーダフォーラム
当コンソーシアムでは、10月10日に東京の聖路加看護大学で開催された「東京アーユルヴェーダ・フォーラム」に、当会会員の株式会社モナの協賛という形で参加いたしました。フォーラムでは、モナの出展小間でニーム商品の即売とニームについてのミニセミナーを行いました。
今回のフォーラムは初めての開催にもかかわらず、多くの女性の参加がありニームへの関心も高く感じられました。
第3回ニーム利用研究シンポジウムを開催しました
当会では6月9日に3回目となるニーム利用研究シンポジウムを開催しました。当日
は40名ほどの参加がありました。
シンポジウムは、橋芳樹氏(NPO法人 遺伝子栄養学研究所・副所長 薬学博士)
、戒能洋一氏(筑波大学大学院 生命環境科学研究科教授)、長渕順子氏(NPO法人
CEALO グローバル・ハーモニー・ジャパン ニームGREENプロジェクト メン
バー)の3名の講師から発表がありました。
橋氏は、「高齢者医療の現状とニームへの期待」というテーマで、アーユルヴェー
ダをはじめとする補完代替医療の話も交えながら高齢者の医療の現状を講演されました
。
戒能氏は、ご自身の研究である「寄生昆虫への薬剤の影響」を交え、ニームの成分で
あるアザディラクチンの効能や劣化の実験結果なども紹介しました。
長渕氏はニームで途上国住民の自立支援活動を行うご自身が所属するNPOを紹介す
るとともに、スリランカとカンボジアの現地活動も話しました。
また、シンポジウムの冒頭には元参議院議員の平野貞夫氏より、来賓のご挨拶をいた
だきました。平野氏はニームへの造詣が深く、親類が地元の高知県でニームを栽培して
います。
シンポジウム終了後は懇親会を行い、参加者相互の交流が図られました。
アーユルヴェーダ学会でニームについてスピーチ
ニームコンソーシアムは、11月28・29日に開催された第31回日本アーユルヴェーダ学会東京研究総会に協賛し、ランチョンセミナー、市民公開講座でのニームについてスピーチと展示会に出展しました。
今回の協賛は、ニームがインドの民間伝承医療の「アーユルヴェーダ」で様々な症状に頻繁に利用される素材ということで、アーユルヴェーダでの利用のほかにも農業・園芸や日用品などへの活用といった利用方法を伝え、新しい認知を広げる狙いがありました。
ランチョンセミナーのスピーチでは、ニームコンソーシアム会長の草間氏と伝承医・薬・食素材研究会理事の西村氏(株式会社モナ)、株式会社井手商会の井手氏の3氏が、「ニームの全般について」「インドのニーム事情」「農業分野のニーム利用」についてそれぞれ話しました。普段、アーユルヴェーダに接している会場を埋めた参加者は、ニームが農業や園芸にも利用できることに大きくうなづき驚く人もおり、新しい認知につながったと感じるとともに、あらためて認知・普及の重要さを感じました。
ニームコンソーシアムの展示小間には、株式会社モナ、有限会社エフカンパニー、株式会社ミスアプリコットの3社が出展しました。インド専門商社のモナは輸入しているニームケーキのほかアーユルヴェーダ素材のサイリウム、エフカンパニーはニーム茶、ミスアプリコットは粉末のニーム歯磨き粉とニーム配合のアウトドアローションを展示・即売し、一時は展示会場内が人で埋まり用意したチラシ等も初日だけで無くなってしまう勢いでした。
また、ニーム茶の試飲を行ったところ、ニームの苦さを知っている人が想像以上に多くいましたが、苦さへの抵抗感はなく「継続して飲める」といった声もありました。
アーユルヴェーダを通じた健康や美容に関して興味を持っている参加者でしたので、ニームへの理解や認知は一般の方々よりも深いものがありました。全体を通じて、ニームを利用したエンドユーザー向けの商品を使用するのは、今回の参加者のような方たちなのではないかと感じました。
注目を浴びる奇跡の樹木「ニーム」
ニームはインド、バングラディシュあたりを原産とするの樹木で、日本名を「インドセンダン」といいます(学名:Azadirachta Indica A.Juss)。日本や中国に自生する栴檀(センダン)とは同属異種といわれています。インドでは別名「村の薬局」と呼ばれ、約4000年前から薬用ハーブとして利用されてきました。 アーユルヴェーダ(インドの民間伝承医療)では代表的な素材として知られています。
ほかにも、乾燥に強い性質により砂漠の緑化樹として活用されたり、 種や実、葉など樹の各部位が医薬品やバイオ農薬、肥料、化粧品・石けん、シャンプー、歯磨き粉などの日用品、薪、建材、家具材、お茶、ペット用品など多くの 用途に加工されています。
さらに、途上国などでは植林に関する作業が地元農民の仕事になり、しかも成長が早いので短期間で樹の部位を販売でき、換金樹木として貧困対策にも活用されています。
このように多くの活用方法があるため、人間によって世界中に種が運ばれ、多くの国々で現在も植林されています。
■ ニームの性質
生息範囲 : 海抜0-700m程度 (適温であれば1500m位まで)
温度帯 : 通常9.5℃-37℃ (平均22〜23℃程度)
降水量 : 年間450-1200mm程度
(ただし、9-12メートル以内に地下水脈があれば、年間150mmほどの 降雨でも育つ)
土 質 : 水はけの良い土質で、pH 6.2-7.0程度を最も好む
(ただし、pH 5.0-8.0でも成長する)
ニームの木は成長が早く乾燥に強い
ニームの木は非常に成長が早く、10年程で直径30cmほどの木に育ちます。その高さは15-20m、なかには35-40mに達するものも珍しくありません。
また、乾燥にも強く、年間降雨量が400mm程度の地域でも栽培可能なことから、世界各地において砂漠の緑化にも利用されています。
加えて、ニームの木に生い茂る緑葉は、二酸化炭素の吸着にも優れていると期待されています。
Nature's Drugstore (自然の薬屋さん)
インドにおいてニームの木は別名「自然の薬屋さん」などと呼ばれています。約4000年前からインドの民間伝承医療(アーユルヴェーダ)などで「ニーム」は薬用ハーブとして利用されてきました。現在では、このニームの持つ薬的効果の科学的研究がインドをはじめとした各地で行われています。
園芸・農業資材としての活用
ニームの種を絞ったニームオイルは、世界各地で害虫を寄せ付けないために利用されています。これは、ニームの成分の1つである「アザディラクチン」が、虫に対して「摂食障害」「排卵障害」「脱皮障害」をもたらすためとされています。
また、ニームオイルを絞った絞りかすは「ニームケーキ」と呼ばれ、有機質の肥料として世界各地で利用されております。
その他の活用
ニームの木は、実・葉・花・種・樹皮などのあらゆる部位が、石鹸・シャンプー・化粧品などの日用品をはじめ、お茶・サプリメント、ペット用品などさまざまな分野で利用されています。また、タイやカンボジア、ラオス、ベトナムなどの一部では食用として利用されることもあります。
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